日本における睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome)の
潜在患者数は300万人以上!?と言われています。
いびきがひどい人は、眠りが浅い証拠です。また「睡眠時無呼吸症候群」になると、寝ている間中脳や身体には大きな負担がかかります。脳も身体も断続的に覚醒した状態になるので、これでは休息どころではありません。
その結果、強い眠気や倦怠感、集中力低下などが引き起こされ、日中の様々な活動に影響を及ぼします。気付かないうちに日常生活に様々なリスクが生じる可能性があります。
長期にわたっていびきをかいていたり、無呼吸が続きますと、 高血圧、不整脈、心臓病、脳血管障害、糖尿病などを誘発したり、記憶力や思考力の低下をまねきます。それらを防止するために、早めの治療が大切です。
治療には、耳鼻咽喉科での、CPAP(シーパップ)とよばれる鼻マスクを通して陽圧空気を持続的に送る装置を使用する方法と、 へんとう腺や軟口蓋の肥大した部分を外科的に切除する方法などがあげられます。
歯科治療では、スリープスプリントとよばれる歯科装具を使用する方法があります。ファーストチョイスとしては簡便で携帯にも便利なスリープスプリントが最適です。
※但し、インプラントは外科手術が必要で、自費診療となるため、費用の負担額が保険診療と比較し大きくなります。
スリープスプリントは、マウスピースのような形状の歯科装具です。
睡眠時に装着して、いびきの改善や睡眠時無呼吸症候群の治療に用います。
睡眠時無呼吸症候群の治療は、次の条件のもと健康保険が適用されます
①睡眠検査をおこなうこと(終夜睡眠ポリグラフ検査)
②検査の結果、睡眠時無呼吸症候群と診断されること
③医師の治療依頼(紹介状)があること
睡眠時無呼吸症候群と診断され、健康保険が適応になった場合、CPAPとよばれる鼻マスクを通して陽圧空気を持続的に送る装置を使用する場合、は必ず医院からのレンタルになります。 自己負担額は3割負担の方で月額5000円前後です。 健康保険で治療を受ける場合は、月1回(来院できないときは2ヶ月に1回)の受診義務があります。 日本睡眠歯科学会での発表では、おおよそスリープスプリントの標準的な医療費は約年間30,150円(3割負担の場合は、約9,045円)、CPAPの医療費は約年間175200円(同約52560円)とのことです。
スリープスプリントに比べると、CPAPによる治療の費用はかなり高くなります。けれども、CPAPは睡眠時無呼吸症候群の治療では最も効果がある方法です。中等度から重度の睡眠時無呼吸症候群の方は、CPAPを治療の第1選択にするのがよいでしょう。
スリープスプリントの費用は、健康保険適応のものの場合は1~2万円、健康保険適応外のソムノメッドを作製した場合は15万円となっています。違いは装着 感、耐久度、不快度や呼吸のしやすさにかなり差があります。 健康保険でスリープスプリントを作製する場合は、検査をおこない、睡眠時無呼吸症候群と診断される事が必要です。
スリープスプリントによる治療を始める前に、あなたのいびきが睡眠時無呼吸症候群によるものなのか、単なるいびきなのかを検査をする必要があります。
終夜睡眠ポリグラフ検査を実施します。
終夜睡眠ポリグラフ検査は、睡眠時無呼吸症候群をはじめとする睡眠呼吸障害を診断するための精密検査です。
終夜睡眠ポリグラフ検査をおこなっている医療機関で1日入院し、体にセンサーをつけて睡眠中の脳・眼・筋肉・呼吸の状態などを測定します。
※終夜睡眠ポリグラフ検査は歯科医院では行っていません。当院より終夜睡眠ポリグラフ検査を行っている医療機関をご紹介させていただきます。
検査の結果、睡眠時無呼吸症候群と診断されると健康保険適応の治療になります。
いびき症と診断された場合は健康保険適応外での治療になります。
スリープスプリントが健康保険適応になるためには、歯科医師のみの判断ではなく、医師の紹介状が必要です。
医師の紹介状と検査結果をご持参していただき、症状をお聞きしたあと、治療についてご説明いたします。
お口の中を診察し、かみ合わせの状態などを検査したり、レントゲン写真を撮影して分析するなどスリープスプリントの適応性を判定させていただきますです。
歯の型を採り、スリープスプリント仮調整を実際に口腔内にて調整させていただきます。
当日より口腔内に装着して経過をみます。経過が良好な場合は強度を強めに加工して、スリープスプリントをお渡しさせていただきます。
治療は、睡眠時にスリープスプリントを装着して寝ていただくだけです。